ROACH

琉球独特の優しいメロディと強靭なハードコア・サウンドが混在する新世代ロックバンド”ROACH”、南の島、琉球より海を越え現る

ROACHを知ったのは今年の9月頃だろうか。ライヴハウス「Shibuya Milkyway」でライヴを観たのが彼らとの出会いだった。沖縄在住のバンドということと、MySpaceで軽く試聴したという予備知識のみで臨んだのだが、カウンター・パンチを食らったかのような大きな衝撃を受けたライヴであった。職業柄、数多くのライヴを観る機会があるため、ちょっとやそっとの演奏力やパフォーマンスでは驚かないのだが、アウェイでの経験の豊かさ、さらには沖縄米軍基地での豊富なライヴ経験という、独特の環境下で揉まれてきたこともあってか、演奏力、パフォーマンスはもちろんのこと、表に出ている部分だけでない”得体の知れない迫力”を感じさせるものがあった。バンドがブレイクするには優れた演奏力やパフォーマンスは当然で、それだけでない”オンリー・ワンな何か”を持っていないといけない。それが成功への絶対条件なのだが、彼ら ROACHにはそれが備わっていると確信させられたライヴであった。

そんな激アツなライヴを繰り広げているROACHによる久方ぶりの音源となるミニ・アルバム 『BREED OF THE SUN』が万を持して2011年2月2日にリリースされる。琉球独特のメロディに誠実な日本語詞を載せたヴォーカリスト、taamaの歌は格段にドラマティックでフックが効いており、沖縄の美しい情景が目に浮かんでくるようだ。そして忘れてはならないのが、絶妙なポイントで激情迸るハードコア・ヴォイスとブレイクダウンで落としまくる、メタルコア、ハードコア・ファンのツボを付いた極悪なモッシュパートが挿入されていることだ。彼らが幼い頃から自然と聴いてきた琉球の伝統音楽と、アメリカ文化が身近にあるという環境から考えてみると、彼らにとってはこの二つの要素が結びつくのは自然な流れであり、彼らならではのアイデンティティが自然に発露した結果なのだろう。
一見相反する二つのサウンドが、見事に融合しているオンリー・ワンなROACHサウンドの真髄を、ぜひとも一人でも多くのロック・キッズに体験して欲しい。
村岡 俊介(激ロック代表)